
サイバーパンクエッジランナーズ2、10話のウィークおじさんの喪失と未練/呪縛(アヴィダ)からの解放……その上でそうして未練からも解放され、血縁も無くともそれでもなお大事なもの(タリア)に向かい、かつての栄光も振り捨てて身一つで一心に走る姿にキャラクターとしての良さが詰まっていた。
娘大事さに騙され利用された立場でもありつつ、それでも"アヴィダが守ってくれた"とでもいうようにお揃いだったインプラント(中指にそれぞれK/Aのイニシャル)で骨壺を掴むと壺は崩れ、未練/呪縛が綺麗に晴れるように遺灰は風に散らされていく。それは1話冒頭のサイバーサイコシスに囚われて見たアヴィダの幻影、それに前作で母の遺灰と願いに囚われ続けたデイヴィッド・マルティネスとも対照的な姿。
そしてそこで茫然自失に陥るのでなく、すぐに「タリア」と呟き、立ち上がり、大事なものに向かって走り出す。その時、「キング」という名と過去の栄光を象徴するような王冠のロゴが入ったジャケットを振り捨てみすぼらしいタンクトップ姿で走っていく様はこちらも、父のようだったメインの腕やルーシーを救うために罠と知りつつサイバースケルトンを受け入れ、その発生させる反重力の補助がなければ立つこともできなくなった……あまりに多くを背負い縛られたデイヴィッドと対照的でもある。
共に何より大事なものを守るため……幾つもの願いを背負い受け入れ縛られ、それでも駆け抜け死んでいったことで栄光ある伝説ともなったデイヴィッド少年と。過去の未練と愛、栄光と力の喪失を受け入れ、屈辱や失意にまみれた中でもそれでも駆け続け生きることを選んだウィークおじさんの姿の対比は、そのまま前作と今作の対比のようでもある。